外壁塗装の翌日に雨が降った時の外壁への影響

塗装業者の中には「雨が降るまでは塗装できる」「雨が降っても翌日に外壁が乾いていれば塗装できる」と説明する業者も存在します。

全てが間違いではありませんが、施工不良につながる可能性もあるため、雨の前後の外壁塗装が施工できる状況を知っておく必要があります。

外壁塗装の翌日に雨が降った場合の外壁への影響、雨が降った翌日に外壁塗装はできるのか、仕上がりの影響はないのかを見ていきます。


外壁塗装の翌日に雨が降った時の外壁への影響

外壁塗装の翌日に雨が降った時の外壁への影響

外壁塗装の翌日に雨が降った場合、影響が出るか出ないかは、使用している塗料と塗り終わってから雨が降り出すまでの時間や季節によって変わります。


塗料の膜厚による影響

塗料は、種類ごとに規定の膜厚があります。

一般的に膜厚が薄い塗料は乾燥が早く、膜厚が厚い塗料は乾燥が遅くなります

気温が23度だと、早い塗料で2〜4時間くらいで遅い塗料だと16時間以上の乾燥時間が必要になります。

塗装業者の一般的な終業時間は17時のため、夜中の0時から雨が降りはじめた場合だと乾燥時間は7時間ある計算になります。

そのため、膜厚が薄い塗料を使用している場合、気温が下がったとしても真冬でない限り乾燥している可能性が高いです。

しかし、膜厚が厚い塗料だと翌日の朝9時まで乾燥時間が必要なため、朝9時前に雨が降った場合は雨の影響を受ける可能性が高いです。

一般的な塗料は気温5度未満、湿度85%以上では使用できないため、この気候条件にあてはまる時期は乾燥しにくくなります。

そのため夏場は特に問題ありませんが、冬場や梅雨の時期は通常よりも乾燥に時間がかかるため、注意が必要です。


塗料の乾きムラの影響

塗料の乾きムラの影響

塗料が乾燥する時は、表面から乾燥しはじめ、次第に中が乾燥します。

しかし、湿度が上がったり温度が下がったりすると乾きムラが発生し斑ら模様になります。

乾燥する前に雨が当たった場合や、結露や霜でも乾きムラが発生します。

艶がなくなることから、塗装業者が「艶が引けた」と表現しているのがこの現象になります。

冬や雨前に起きやすいため、雨予報が出ている日や気温が低い真冬は15時以降は、上塗りの施工は避けた方が施工不良を防ぐことができます。

ただし、梅雨の時期や雨が続いている週だといつ降るか分からないことがあります。

その場合は、屋根の先から足場内が隠れるよう、ビニール養生で前もって屋根をつくります。

突然の雨にも対応できる処置を前もって塗装業者にお願いしておくと安心です。


雨が降った翌日に外壁塗装はできる?仕上がりへの影響は?

雨が降った翌日に外壁塗装はできる?仕上がりへの影響は?

雨が降った翌日に、外壁塗装ができるかできないかは雨水の残り具合と外壁の水分含水率で変わります。

外壁に雨水が残っていると、当たり前ですが塗装作業はできません。

外壁と塗料の密着が悪くなるだけでなく、美観も損なわれ耐久性や機能性も低下します。

見た目や耐久性、機能性が低下すると仕上がりは大きく変化します。

溶剤であれば混ざりきらないため、硬化不良などがおきます。

また、艶もなくなり、数か月で塗膜がボロボロになる可能性があります。

水性であっても、水分量が増えると濃度は薄くなり塗料の機能性は低下します。

なによりも、雨水が残っているにも関わらず塗装する業者は品質管理ができていないため、他の部分でも問題がある業者の可能性が非常に高いです。

外壁の水分含水率については、見た目だけでの判断は難しいです。

水分含水率は一般的に10%以下とされており機械で測定できますが、自社で機械を保有している塗装業者は多くありません。

しかし、外壁下地が湿気を含んだまま塗装を行うと水分の逃げ道がなくなり塗膜の膨れなどの施工不良につながります。

そのため、雨水が乾いた後も半日ほど乾燥させ、塗装する前に外壁を触って湿気を帯びていないか確認すると後の膨れを防ぐことができます。

ただし、室内からの湿気も影響するため、雨の後は室内の湿度を下げると室内からの膨れも防ぐことができます。

結論として、雨が降った翌日でも外壁塗装をすることは可能です。

しかし、素人判断では難しく塗装業者の判断になるため、専門的な知識と経験がある塗装業者でなければ正しい判断は難しいです。

雨が降った翌日だけでなく、高圧洗浄を行った翌日も注意が必要になります。

そのため、専門的な知識や経験実績のある塗装業者を選ぶことが重要になってきます。


まとめ

外壁塗装の翌日に雨が降った時の外壁への影響のまとめ

外壁塗装の翌日に雨が降った場合の外壁への影響、雨が降った翌日に外壁塗装はできるのか、仕上がりの影響はないのかについて見てきました。

内容をまとめると以下のようになります。

  • 塗装後の雨の影響は塗料の乾燥時間と降りはじめの時間を確認する
  • 雨が多い季節は屋根先と足場にビニール養生で屋根をつくって突然の雨に備える
  • 雨が降った後の塗装はじめは塗装業者判断になるため経験と実績のある塗装業者を選ぶ

塗装業者の中には、塗料の乾燥時間を正確に把握していない業者も存在するため、塗料の仕様を塗装業者に聞くようにしてください。

知っている場合は教えてくれます。

知らない場合は把握した上で施工してもらえるため、聞くことで施工不良の予防になります。

しかし、どれだけ塗装業者が気をつけても突然の雨は防げません。

塗装業者にとっても、雨予報の前後で無理に施工することは避けたいのですが、施主に工事期間を伝えているため工期の遅れを気にしています。

そのため、見積りの段階で雨に対して気にしていることを伝えましょう。

施主の目が品質に向けられていることが分かると、後の対応が大きく変化するため、是非伝えてみてください