外壁塗装の法定耐用年数と減価償却による節税効果

法人所有の建物を外壁塗装する場合、工事費用の計上の仕方によって大きく節税することができます。

しかし、費用の一括計上には注意が必要です。

一括計上の結果、大幅に利益が減少して赤字の年となると、融資の審査に影響することもあります。

一括計上の他には、外壁塗装を資産として減価償却する方法もあります。

会社の状況に合わせて、外壁塗装でうまく節税するために修繕費と資本的支出の違いや減価償却の仕組みを知る必要があります。

外壁塗装の法定耐用年数と減価償却による節税効果を見ていきます。


外壁塗装の法定耐用年数と減価償却による節税効果

外壁塗装の法定耐用年数と減価償却による節税効果

外壁塗装の経費処理は、費用を一括で計上する方法と費用を法定耐用年数で分割して計上する方法があります。

一括で計上する場合は、費用を修繕費とみなしてその年の確定申告で一括して計上します。

一括の計上は、大幅な節税が可能です。特に利益が大きく外壁塗装の費用が小さい場合におすすめです。

修繕費は、建物の価値を上げる要素を計上できない点に注意が必要です。

大きな金額の工事やフッ素などハイグレードな塗料の使用を希望する場合は、別の方法での計上を検討しましょう。

また、計上の結果赤字となる場合は、融資の審査への影響も懸念されるため、一括での計上をおすすめしません。

法定耐用年数で分割して計上する方法は、外壁塗装を建物の資産価値を上げる投資のための資本的支出とみなして減価償却を行います。

特に外壁塗装の費用が高額になる際におすすめです。

外壁塗装を減価償却していく場合、外壁塗装を行った建物の法定耐用年数を使用します。

建物の構造は同じでも、住宅なのか事務所なのかなど用途によって法定耐用年数は異なります

木造の建物を例にして、用途別の耐用年数を見ていきます。

木造・合成樹脂造の建物の法定耐用年数

事務所 24年
店舗・住宅 22年
飲食店 20年
旅館・ホテル・病院・車庫用 17年
工場・倉庫 15年
公衆浴場 12年

同じ構造の建物でも、使い方によって劣化速度が異なるため耐用年数が設定されています。

例えば、木造の住宅を350万円掛けて外壁塗装を行ったとします。

木造の住宅の法定耐用年数は、22年となるため350万円を22年間かけて15万9千円ずつ減価償却していくことになります。

建物の法定耐用年数は、国税庁のWebサイトに詳しい情報が記載されています。

法人所有の建物を外壁塗装する場合は、修繕費か資本的支出になるのか確認した上で工事を始めるようにしましょう。

確定申告の直前で修繕費ではなく資本的支出だったことが判明すると、申告内容や所得税が大きく変わってしまうこともあるため注意が必要です。


まとめ

外壁塗装の法定耐用年数と減価償却による節税効果のまとめ

外壁塗装の法定耐用年数と減価償却による節税効果について見てきました。

内容をまとめると以下のようになります。

  • 最低限の修繕工事は修繕費
  • 資産価値を上げる工事は資本的支出
  • 外壁塗装の法定耐用年数は建物と用途の法定耐用年数に準拠する

修繕費として一括計上する場合は、外壁塗装を行なった年は大幅に節税することができます。

しかし、金額によって修繕費とならない場合や利益を圧迫してしまう場合もあるため注意が必要です。

資本的支出を行なった減価償却は、外壁塗装を行なった年の利益を損なわず長期的に節税を行うことができます。

その反面、外壁塗装を行なった年の節税効果が少なくなります

どのような税務処理にすれば良いのか迷った時は、税理士や専門家と相談し、施工業者とよく打ち合わせした上で外壁塗装を行いましょう。