財形住宅貯蓄を外壁塗装に使用することはできます。
しかし、条件に合わない外壁塗装工事を行った場合いくつかのペナルティが課せられます。
ペナルティが課せられないためにも、財形住宅貯蓄の条件や注意点を知る必要があります。
財形住宅貯蓄の内容や条件、メリットや注意点を見ていきます。
財形住宅貯蓄は外壁塗装に使用することができる?
財形住宅貯蓄とは、55歳未満の労働者が勤め先の会社を通し金融機関などと契約して、5年以上の期間の間毎月の給料と毎年のボーナスから天引きによって貯蓄する仕組みになっています。
住宅購入だけでなく、所有している建物のリフォームや増改築にも積み立てたお金を使うことができます。
財形住宅貯蓄の内容
- 積み立て期間は5年以上
- 4,000万円または住宅購入額の80〜90%まで積み立てが可能
- 住宅の購入または75万以上のリフォームに使用可能
銀行や信用金庫、組合など取り扱っている金融機関により内容は異なるため、上記は一般的な財形住宅貯蓄の内容です。
詳細は契約する金融機関へ確認してください。
財形住宅貯蓄を行う二つのメリット
財形住宅貯蓄は税金面で有利
税金面では、他の財形貯蓄と合わせて550万円までの利息が非課税になります。
通常の普通預金などは、積み立て額の利息が課税対象になっています。
利息から約20%課税分が引かれ、残りの利息が手元に残ります。
最初の積み立て額が少ない時は微々たるものですが、年々積み立て金が増えるほど利息の非課税分は大きな金額になっていきます。
住宅購入の融資が利用できる
財形住宅貯蓄を一年以上契約しており、積み立て金が50万円以上貯まっている場合、契約している金融機関の住宅ローンを利用できます。
積み立てている財形住宅貯蓄が、住宅購入費用に達していなくても住宅ローンで差額を補填できるため、マイホームの購入を考えているかたには有利な制度です。
財形住宅貯蓄の利用条件
- 満55歳未満で会社に勤めているかた
- 勤めている会社が財形住宅貯蓄制度を導入していること
- 他で財形住宅貯蓄を契約していないこと
他で財形住宅貯蓄を契約していないこととありますが、一般財形貯蓄と財形年金貯蓄は併用可能なので含まれません。
財形住宅貯蓄の払い出し条件
- 対象の建物に契約者本人が住むこと
- 床面積が50m2以上
- 中古住宅の場合、耐震基準を満たし築20年以内の建物あるいは、耐火基準を満たし築25年以内の建物
- リフォーム工事の場合は工事面積が50m2以上、工事費用が75万円以上になること
財形住宅貯蓄の内容、利用や払い出し条件は金融機関によって異なるため、詳細は契約金融機関に問い合わせると後の払い出しがスムーズになります。
財形住宅貯蓄を外壁塗装に使用する際の注意点
財形住宅貯蓄には、多くの条件があります。
条件を守らずに引き出しを行うと課税の対象となるため注意が必要です。
払い出しの条件を守らない場合
財形住宅貯蓄を払い出す時は、適正な払い出しと認められる必要があります。
適正な払い出しと認めてもらうためには、住宅購入やリフォームなど財形住宅貯蓄の制度に合った目的で申請をします。
しかし制度に合っていない払い出しを行った場合、要件外の払い出しとなります。
要件外の払い出しにはペナルティが課せられ、解約利子が発生します。
それだけでなく、過去5年間に遡って払い出しを行った際の非課税分の利子まで追徴を受けます。
払い出しには費用が発生する
財形住宅貯蓄を払い出す場合は、申請料や提出書類の準備費用が発生します。
リフォーム会社が財形住宅貯蓄の申請をできる場合は少ない費用で済みますが、申請を行えないリフォーム会社だと割高になることが多いです。
申請を建築士に代行してもらう費用が割高になるため、見積もりの打ち合わせの段階で、申請費用の確認をすることをおすすめします。
共同所有名義で購入した建物は注意が必要
購入しようと考えている住宅や、リフォームを考えている住宅が共同名義の場合、工事費用が三分の一までしか払い出しの対象にならないため注意が必要です。
外壁塗装で財形住宅貯蓄を使用する際の注意点
財形住宅貯蓄の払い出し条件の中に75万円以上とあります。
しかし、外壁塗装は一般的な30坪の建物だと約60〜90万円です。
外壁塗装は塗料のグレードにより金額が変わるため、スタンダードな塗料を使用すると75万円を下回ってしまう可能性が非常に高いです。
75万円を超えるための塗装工事プラン
外壁塗装の60〜90万円に屋根塗装をセットすると、20〜50万円がプラスで追加されるため75万円を超える計算になります。
屋根塗装を考えていない場合は、上級グレードの塗料を使用します。
スタンダードに比べて、1.5〜2倍の費用が掛かるため75万を超える計算になります。
上級グレードの塗料を使う以外にも、断熱や遮熱塗料を使うことで「省エネリフォーム」に該当し財形住宅貯蓄の対象となる場合もあります。
断熱や遮熱塗料は、機能性を向上させており上級グレードの塗料が多く、費用もスタンダードな塗料に比べ1.3〜1.5倍となり75万円を超える計算になります。
塗装作業以外にも、劣化が激しい場合の下地処理や目地コーキングの打ち替えなど、建物の劣化状況により追加で必要な工事費用が発生する場合もあります。
そのため、塗料選びは工事箇所が決まってからの方が計算が分かりやすく、余分な出費を抑えられます。
まとめ
財形住宅貯蓄を外壁塗装に使用するための内容や条件、引き出す際の注意点について見てきました。
内容をまとめると以下のようになります。
- 財形住宅貯蓄には加入前後や引き出し時に条件がある
- 要件外の払い出しとならないよう注意する
- 75万円以上の工事プランを作る
財形住宅貯蓄を外壁塗装に使用するためには、全ての条件を満たす必要があります。
しかし財形住宅貯蓄を使用するために、本来直す必要がない工事や費用だけ高い塗料を選ぶのは、本当に良い外壁塗装とはならない恐れがあります。
不本意な外壁塗装にならないためにも、財形住宅貯蓄の実績がある地元の業者に依頼し、建物に最も合った工事プランを提案してくれる優良な塗装業者と契約を結ぶことが必要です。