外壁塗装の破風板の塗装、補修のポイントと注意点

破風板は、雨風などの外的要因を受けやすく劣化が進みやすい箇所です。

破風板の中には、5年前後で防水性がなくなり内部に水が浸入し腐食が進む原因となる場合もあります。

劣化が進みやすい部位だからこそ、正しい塗装方法や塗料を知ることで、耐久性を上げる必要があります。

外壁塗装の破風板の塗装や補修のポイントと注意点、破風板の塗装の単価と費用相場について見ていきます。


外壁塗装の破風板の塗装、補修のポイントと注意点

外壁塗装の破風板の塗装、補修のポイントと注意点

家の破風とは、屋根の形状が「切妻(きりつま)」と呼ばれる部位で、屋根を側面から見た時の斜辺になっている部分を指します。

破風板とは、破風の部分に使われている建材を材料や形状から破風板と呼びます。

破風板と混合しやすい部位の中に、破風板の上端部分のケラバや、同じ建材が使われている鼻隠しがあります。

ケラバとは妻側の端の部分を指しますが、外壁塗装の場合は塗装箇所を呼ぶため、破風板と屋根の角に付いているケラバ水切り金具を指します。

ケラバ水切りは、主に塗装が可能な屋根に付いているため瓦屋根はケラバと呼ばれることは、外壁塗装の場合ほとんどありません。

しかし、本来ケラバは部位のため瓦屋根であってもケラバ瓦が存在します。

鼻隠しとは、破風板の斜辺を下った端から地面と水平に繋がっている部分を指します。

鼻隠しには、雨樋(横樋)が取り付けられていることがほとんどです。

破風と鼻隠しは、どちらも屋根の端に取り付けられているため、混同しやすいですが破風が存在する屋根は切妻と入母屋しかありません。

寄棟は、屋根が四面で形成されているため破風は存在せず、全て鼻隠しとなります。

簡単な見極め方として、破風に雨樋が取り付けられることは一般的にありませんが、ほとんどの鼻隠しには雨樋が取り付けられています。

破風板は、雨風の影響を受けやすい場所のため屋根や外壁よりも早く劣化する場合があります。

そのため、家の他の部位以上に塗装方法や塗料の選択に気をつける必要があります。


破風板の素材別の特徴

木材系

一昔前の住宅で最も多く使用されていた材質の破風板です。

現在は、耐火性が低いことから窯業系や金属系が使われていますが、築20年ほどの住宅では目にします。

材質が木であるため、屋根や外壁に比べて早く劣化しやすいため、塗装によるメンテナンスが必要になります。

外壁塗装のメンテナンス周期は、一般的に10年とされていますが、木材系の破風板は5年前後でメンテナンスが必要になります。

木の性質上、常に呼吸を繰り返すことで素材自体が伸縮して、塗膜が剥がれやすい傾向があります。

そのため、おすすめの塗料は木材に浸透して表面に膜を作らないタイプです。

しかし、既に表面に塗膜が付いている場合は浸透タイプの塗料は使用できないため、木部用の下塗りを塗装した上で、弾性系の塗料を塗ると剥がれにくくなります。


金属系

耐久性や見た目に優れ、現在の住宅だけでなく既存の木材系の破風板に被せる際にも採用されることが多い材質です。

素材は、トタン製やガルバリウム鋼板などが多く採用されています。

トタン製は専用の塗料での塗装が必要ですが、ガルバリウム鋼板は一般的にはメンテナンスは不要とされています。

金属系の破風板を塗装する際は、必ず錆を除去してから錆止め塗料を塗る必要があります。

錆を落とさずに塗ると、錆が広がっていき劣化の原因となります。


窯業系

金属系と同様に、最近の住宅で多く採用されている素材です。

耐久性や見た目が優れているだけでなく、耐火性も優れている点が多く採用されている理由です。

ただし、主原料がセメントのため表面の防水性が劣化することで、内部に水が浸入し凍結・膨張・爆裂を引き起こし、ひび割れが発生します。

防水性を低下させないためにも、外壁塗装と同じ10年周期のメンテナンスが必要です。

窯業系の破風板を塗装する際は、下塗りに浸透性の下塗り材を使用することで、下地と塗料の密着を良くすることができるためおすすめです。


破風板の塗装の単価と費用相場

破風板の塗装の単価と費用相場

破風板は、劣化しやすいため劣化状況や形状によって変動しますが、一般的な破風板の塗装相場を見ていきます。

破風板を、塗装する際の費用相場は1mで800円〜1,300円が一般的な相場になります。

塗装業者の中には、m2数で計算することもありますが、一般的に塗装部位の幅が狭いためm数で計算することが多いです。

破風板は、一般的に二階の両妻面の2か所か一階の妻面にもう1か所の計3か所の場合が多いです。

そのため、外壁塗装の塗装箇所の中では比較的に数量は少なくなります。

一般的な30坪の切妻の戸建ての家で例えた場合、破風板の数量が36mだった場合28,800円〜46,800円となります。

破風板のみの塗装を、塗装業者に依頼する場合は注意が必要です。

破風板の塗装を、10m以内を単価計算してしまうと交通費や手間賃の方が高くなってしまうため、一律15,000円〜となる場合が多いです。

さらに、二階の作業には別途足場費用が掛かってくることもあるため、契約する前に施工方法や工事内容を確認しておくと後のトラブルを防ぐことができます。


まとめ

外壁塗装の破風板の塗装、補修のポイントと注意点のまとめ

外壁塗装の破風板の塗装や補修のポイントと注意点、破風板の塗装の単価と費用相場について見てきました。

内容をまとめると以下のようになります。

  • 破風板は他の塗装箇所に比べて劣化しやすい
  • 破風板の素材ごと塗装方法や塗料が異なる
  • 費用相場は1m800円〜1,300円

破風板は、素材ごとに使う塗料や塗装方法が異なります

劣化しやすい部位だからこそ、間違った塗装をしてしまうと、不具合も出やすいため塗装の知識や経験が多い塗装業者に依頼するようにしましょう。

しかし、破風板のみの塗装の場合塗装業者に依頼すると1m単価の800円〜1,300円ではなく、少ない数量でも一律15,000円〜となる場合があります。

さらに足場が必要となる場合もあるため、足場が必要な場合や少ない数量の場合は、他の箇所も一緒に塗装を検討しても良いでしょう。