外壁塗装の色は、選び間違えてしまうと次の塗り替えの時までそのままにするか、数十万かけて塗り直すことになりかねません。
しかし、外壁塗装は似た色を使った家が多いため他と同じにはしたくないが、派手な色は避けたいと考えているかたは少なくありません。
せっかくの外壁塗装を、色間違えで失敗しないためにも配色の基本や失敗しない配色などを知っておく必要があります。
外壁塗装の配色の基本と失敗しない配色、外壁塗装配色の人気の組み合わせについて見ていきます。
外壁塗装の配色の基本と失敗しない配色
外壁塗装の色決めは、数百種類の色の中から選択しなければならないため、迷わずに決めることは難しいです。
さらに、一色だけでなく二色や三色など複数の色を組み合わせると、より難しくなっていきます。
しかし、色の配色にはいくつかの決まりがあるためそれらを理解すれば、スムーズに色決めを行うことが可能です。
外壁塗装の色を選ぶ前に、色の知識や感じ方の違いを理解する必要があります。
有彩色と無彩色
有彩色とは、赤・青・黄・緑など色味を持った色の全てを指します。
無彩色とは、白・黒・灰色など色味を持たない色を指します。
有彩色は、色の三属性の色相・彩度・明度を使って表し、無彩色は明度のみで表すことになります。
面積効果
外壁塗装で、同じような色を何色か選択した時に小さな見本板を見比べても、違いが分かりにくい場合があります。
明るい色の明度や彩度は、面積が大きくなるにつれて明るく鮮やかに見えます。
逆に、暗い色の明度は面積が大きくなるにつれて暗く見えるようになるためです。
このように、面積の大きさによって色の見え方が変わるため、複数の同系色を比較する場合はA4サイズ以上で確認すると、色の見分けがつきやすくなります。
明度対比と色相対比
ある色の明るさと暗さが、周囲の色の影響を受けて本来とは異なる明るさに見える現象が明度対比です。
色相対比とは、赤と黄色など異色の組み合わせにすることで、ポイントとなる色を際立たせる配色効果です。
光源色
色の感覚は、朝・昼・夜のそれぞれの時間で変化する場合があります。
光源色とは、そうした一連の現象があり時間によって見え方が変わってしまうため、色を確認する際はそれぞれの時間で確認すると色間違いが少なくなります。
この中でも、面積効果による色選びの失敗が多いため選択した色よりも、少し濃い色を選んでおくと広い面積に塗装した時にイメージに近い色になります。
色選びの基本は、塗装しない箇所の色と塗装する箇所の色との相性を考えることがポイントになります。
塗装しない箇所とは、窓のサッシや玄関ドアがアルミのため既存の色となります。
一般的なサッシの色は、黒・白・ブロンズのどれかに統一されていることが多いです。
黒や白は無彩色のため、ある程度どのような色を選んでも合いますが、ブロンズは有彩色のため焦げ茶や茶色など同系色から選ぶと、きれいに収まります。
玄関ドアだけ色が違う場合がありますが、玄関ドアの色を屋根の色に使うときれいに収まります。
外壁や屋根以外の、軒天・破風板・雨樋などの付帯部にも色の配色に気をつけないと、家の統一感が損なわれてしまいます。
軒天は、上から太陽光が当たるため基本的に影になってしまい他の箇所よりも暗く見えてしまいます。
そのため、軒天の色は白系か薄めの色を使用する場合が多いです。
破風板や鼻隠しは、屋根の色に合わせると立体感も出るためおすすめです。
雨樋は、基本的に外壁やサッシの同系色で溶け込ませることが多いですが、アクセントとして使うこともできます。
しかし、雨樋は劣化や汚れが早いため白系の色は目立ちやすいため注意が必要です。
窓の上に付いている庇や霧避けは、屋根に近い箇所なため屋根と色を揃えると統一感が出ますが、サッシと色を合わせても収まりが良くきれいです。
外壁塗装の配色で失敗しない色
外壁塗装は、好きな色を選びたくなりますが外壁塗装後何年も同じ家に住むため、失敗しない配色が必要になります。
落ち着いた色を選ぶ
外壁塗装の色を決める際に、参考となるのが住宅メーカーなどに置いてある外壁材のサンプルです。
外壁材のサンプルは、外壁に合う色が飾られておりサンプルの多くは落ち着いた色味がほとんどです。
派手な色や、個性的な色を選びたい気持ちがあるかもしれませんが、基本的に家の色は落ち着いた色の方が風景に溶け込みやすくなります。
例として、自然に使われている色や控えめの鮮やかさを意識すると失敗が少なくなります。
近隣の家や町並みを見て回る
外壁塗装は、色の見本板と実際の家に塗った場合とでは感じ方が異なります。
そのため、選択する色のイメージに近い色を近所を散歩して見て回り、実際の家の大きさで外壁塗装後のイメージを近づけると、配色の失敗が少なくなります。
しかし、近隣と同じ緑やピンクなど原色に近い色を選択すると近所のトラブルに繋がることも少なくないため、目立つ色を選ぶ際は注意が必要です。
外壁塗装配色の人気の組み合わせ
最近の外壁塗装は、色が一色だけでない家が増えてきました。
しかし、色は使う数が増えていくほど統一感を出すのが難しくなるため、配色の組み合わせ方やバランスの取り方を理解する必要があります。
色を分けるライン
外壁をツートンで色分けする場合、重要になるのが分けるラインです。
一般的な分け方として、一階と二階で分ける上下分けのパターンですが、最近ではベランダやバルコニーなど出っ張った部分だけを色分けするパターンも多く使われています。
色ごとの面積
ツートンカラーの場合、「50:50」ではなく「60:40」や「70:30」の割合で決めるのがポイントになります。
さらに、上下分けの場合は下を濃い色にして上を薄い色の同系色同士を使うと落ち着いた統一感のある家に仕上がります。
一番面積が多い色をベースカラー、もう一色をアソートカラー、一番少ない色をアクセントカラーと呼びます。
色は多く選んだとしても三色までとし、それ以上は統一感のない家となるため注意が必要です。
おすすめのツートンカラーの配色
ツートンカラーは、調和の取れた同系色で選ぶか彩度が同じ色を選ぶと良いとされています。
その中でも、おすすめの配色の組み合わせが三つあります。
一番人気はベージュと茶色です。それぞれ色相が近く同系色になるため、とてもおすすめです。
しかし他と被りにくく、おすすめな組み合わせは一番人気にアレンジを加えた、オレンジとベージュや灰色と白、グレーベージュと抹茶色の三パターンです。
もちろん、コントラストがはっきりとした白と黒の反対色を使った外壁もありますが、まとまりと言う点では同系色の色を選んだ方が安心できます。
まとめ
外壁塗装の配色の基本と失敗しない配色、外壁塗装配色の人気の組み合わせについて見てきました。
内容をまとめると以下のようになります。
- 色を選ぶ際は色の感じ方に気をつける
- 外壁塗装の色はある程度決まりがある
- 色の配色は落ち着いた色を選ぶと失敗が少ない
外壁塗装の色を時間をかけて決めたものの、実際に家に塗装した色と選んだ色が、見え方や感じ方で異なって見えることは少なくありません。
特に、面積効果は色の感じ方が大きく異なることがあるため注意が必要です。
しかし、外壁塗装は塗装箇所によってある程度の決まりがあるため、必ず守る必要はありませんが決まりを守った配色のほうが失敗は少なくなります。
配色の決まりだけでなく、落ち着いた色を選ぶほうが失敗が起こり難く、後悔もし難い傾向があります。
他の家と色が被りたくない場合は、落ち着いた色の中で配色のきまりを守りながら個性を出していってはどうでしょうか。