平屋は、老後の夫婦や日本家屋のイメージが強いです。
しかし、平屋は二階建てよりもメンテナンス性が優れており、メンテナンス費用も割安に抑えられます。
しかし、さらに安く抑えようと足場の設置をやめたりDIYで外壁塗装を行うことには高いリスクが潜んでいます。
そのリスクを知らないまま行うと、高額な費用がかかったり近隣に迷惑をかけることもあるため、まずはリスクを含めた平屋の外壁塗装の費用相場を知る必要があります。
平屋の外壁塗装をする際の費用相場と足場の必要性、平屋の外壁塗装はDIYでできる?について見ていきます。
平屋の外壁塗装をする際の費用相場と足場の必要性
平屋建ての建築費用は、二階建てよりも割高ですが後々のメンテナンス費用は割安になることが多いです。
家のほとんどが手の届く範囲にあるため、家の不具合も見つけやすく補修程度であれば、脚立で済んでしまいます。
外壁塗装の際も、二階建ての家よりも外壁の面積は少なくなります。
延べ床面積が40坪の平屋と二階建ての家で見ていきます。
延べ床面積とは、床全体の面積のため二階建ての延べ床面積が40坪だと、一階と二階の床の面積を足した面積になります。
一坪を3.31m2だとすると、40坪は132m2になります。
家の外周を仮に縦10m、横13.2mで計算すると46.4mになります。
平屋の場合、外周46.4mに平屋の高さを3mと仮定すると外壁の総面積は139.2m2になります。
次に二階建ての場合、家の大きさは半分になるため縦10m、横6.6mで計算すると家の外周は33.2mになります。
外周33.2mに、二階建ての高さを6mと仮定すると外壁の総面積は199.2m2になります。
同じ延べ床面積でも、外壁の総面積は60m2も違いが出てくるため二階建てよりも平屋の方がメンテナンス費用が割安になることが分かります。
平屋の外壁塗装をする際の費用相場
平屋の外壁塗装の費用相場を先程の延べ床面積40坪で見ていきます。
延べ床面積40坪の場合、外壁の総面積は139.2m2でした。
窓や扉など、塗らない箇所を全体の20%と仮定し139.2m2に0.8掛けをすると、111.36m.2となります。
次に、足場や高圧洗浄、養生や外壁塗装などを行うとm2あたり5,500円ほど掛かるため先程の111.36m2に掛けます。
すると外壁塗装の金額が、612,480円になりました。
使う塗料や家の構造によって金額は前後するため、m2あたり〜3,000円を足すと、〜946,560円となります。
そのため、40坪の平屋の外壁塗装をする際の費用相場は612,480円〜946,560円となります。
これが、先程の二階建て延べ床面積40坪の場合876,480円〜1,354,560円となるため、金額を見ても平屋の外壁塗装費用の方が割安になるのが分かります。
平屋の外壁塗装をする際の足場の必要性
平屋は、脚立があればほぼ全ての箇所に手が届きます。
そのため、外壁塗装も足場なしで塗れるのではないかと疑問に思うかたも多いです。
結果から述べると、足場なしでも外壁を塗ることは可能です。
脚立を立てるスペースさえあれば手は届くため、物理的には可能な作業です。
しかし、これらが補修作業であれば良いですが、家を一軒塗るとなると様々なデメリットが出てきます。
外壁塗装の足場が無いデメリット
足場を組む目的は、作業員の安全や仕事効率、塗料の飛散防止や工具等の落下防止です。
作業員の安全は、塗装業者がもっとも大事にしなければならない箇所です。
脚立作業は、足場作業よりも事故が多い作業です。
家の周囲は一見平坦に見えても平坦ではなく、植栽や室外機、給湯器や施主の私物など様々な障害もあります。
脚立作業になると、何度も脚立の移動を繰り返したり設置したい箇所に障害があり、設置できなかったりと安全性を毎回確保するのが難しいです。
仕事効率も、足場があると行う必要のない作業を繰り返し行うため、作業効率は落ち納期が延びて人件費だけが増えていきます。
さらに、脚立は無理な体勢になるため細かい動きができず、隅々まで丁寧な作業を行うことができません。
足場外側にメッシュシートが貼られています。
メッシュシートは、飛散防止以外に人や工具などの落下防止の意味もあります。
塗装作業中に、メッシュシートが無く近隣の車に飛ばしてしまった場合、本来足場があると塗装業者の責任です。
しかし、施主側の要望で飛散防止や落下防止の処置を行わなかった場合、施主も責任を負う可能性があります。
足場を設置しないメリットは足場費用が浮くため魅力的ですが、その大半は塗装作業の効率が落ちたために増えた人件費に使われます。
さらに、周囲に害を及ぼす危険性や作業員の事故のリスクを考えると足場は組んだ方が良いことが分かります。
作業効率や安全性だけでなく、作業に集中できない作業環境は手を抜かれることが多いです。
後々、外壁塗装に不具合が出ても施主が足場を組むのを拒んだ場合、賠償や保証は受けれない可能性が高いです。
もしも、足場費用を抑えたい場合は塗装業者が足場を組んでいたり、自社内に足場担当の部署がある会社に依頼しましょう。
多くの塗装業者は、足場は外部に委託しているため中間に一社入る形になり割高になります。
足場を保有している塗装業者は、塗装と足場を一括して受注できるため安くなることがあります。
平屋の外壁塗装はDIYでできる?
外壁塗装は、色を塗る以外に家のメンテナンスも兼ねています。
外壁のクラックやひび割れ、コーキングの打ち替えなど家の劣化状況を理解して補修する必要があります。
塗料選びも、下地や下地の劣化具合によって異なります。
さらに、周囲の状況に合わせて水性と溶剤の使い分けや、防カビや灰汁止めなどの機能性の選択なども塗料選びの基準になります。
塗料は、状況に合わせて選ぶと使える訳ではなく、使ってみて合わない場合は、またその状況に合った塗料の追加や処理作業をしていく必要があります。
本来なら塗料の選択も、塗料の追加費用も塗装業者が見てくれますが、DIYの場合は全て自己責任になります。
おそらく、単純に外壁を1回だけ塗る場合は休みなどを利用して1か月ほどで終わると思います。
しかし、外壁塗装は洗浄やケレン、養生や下塗り中塗り上塗り、養生撤去後の清掃やタッチアップなど何回も同じ所を繰り返し作業する必要があります。
ローラーで塗る作業だけでも外壁塗装の面積が120m2の場合、3回塗る場合360m2を塗る手間が掛かります。
そのため、塗装業者に頼んだ場合と同じ範囲を全て塗ろうとすると、全ての土日休みを使っても3か月ほどかかります。
DIYで、外壁塗装を行うと全ての道具や塗料を揃えても30万〜50万ほどのため、塗装業者に頼むよりかは安く済みます。
しかし、素人ゆえの失敗も考慮しておく必要があります。
素人の場合、足場作業に慣れていないため注意力が落ちバランスを崩して落下する危険性もあります。
塗装の技術や知識、塗装経験がないため、塗りムラや乾燥不良など不具合が起きやすく、色も塗ってからイメージと違う場合もあります。
DIYの期間を3か月と予定しても、それ以上の期間が掛かります。
天気が良い状態で3か月持つことはなく、急な予定が入ることもあります。
この期間中足場は組んだままの状態のため、家の中は暗くなり、近隣の家も隣接部分は同じ暗い状態が続きます。
最後に費用に関する失敗例は、不具合が連続して発生し最終的に塗装業者に頼むことになった場合です。
塗装業者に引き継ぐ場合、現状が中塗りの場合中塗りからの費用で頼める訳ではありません。
不具合を特定する手間賃もプラスで掛かる上、高圧洗浄かケレン作業からの作業になることが多いです。
理由として、外壁塗装は下地と密着しないと意味がないため、下地調整からプロの目で確認して施工を進めていきます。
DIYは楽しいですが、あくまでも自己責任となり安全性のリスクや時間のリスク、費用のリスクなど様々なリスクを負うことになります。
塗装業者に依頼することは、安心を買うことにつながります。
安心とは、工事期間中の安全やきれいな仕上がり、期間内での工事やアフターフォローなどです。
DIYは可能かもしれませんが、DIYで行うかプロの塗装業者に任せるか、もう一度検討して納得のいく外壁塗装にしてください。
まとめ
平屋の外壁塗装をする際の費用相場と足場の必要性、平屋の外壁塗装はDIYでできるかどうか見てきました。
内容をまとめると以下のようになります。
- 40坪の平屋の外壁塗装相場は60万〜90万
- 足場を設置しない場合デメリットが多くメリットはあまりない
- DIYにはリスクが多いため行う場合は自己責任となる
平屋の外壁塗装の相場は二階建てに比べると、3分の2ほどです。
平屋は、作業がしやすく見えるため足場の設置や塗装業者に依頼することが勿体なく思えてしまいます。
しかし、足場を設置しなかったり DIYで作業したりすることは、外壁塗装の節約ではなくハイリスクな状況を生み出しています。
ハイリスクを選択して、問題なく終わり半分の費用でうまく終わることもあるかもしれません。
しかし、何千万も出して買った家を後々も問題なく住み続けたい場合は、安心を買う意味としてメンテナンスを専門の業者に任せてはいかがでしょうか。