外壁塗装に、浮きや剥がれが起きていると塗膜やその周囲に不具合が起きている可能性が高いです。
そのため、浮きや剥がれが起きている場合は放置せずに早めに対処する必要があります。
しかし、浮きや剥がれは外壁塗装では起こりやすい不具合です。
外壁塗装を行う、誰もが起こる可能性があるため原因や対処方法を知っておくことで、早めに防ぐことができます。
外壁塗装に浮きや剥がれが起きる原因と対処方法について見ていきます。
外壁塗装に浮きが出る原因と対処方法
家の外壁に、正常な時の塗膜とは異なる膨らみができていることがあります。
外壁塗装の浮きは、美観を損なうだけでなく防水性を低下させたり、下地の劣化を早めたりしてしまいます。
外壁塗装に浮きが出る原因
外壁塗装に浮きが出る原因は、大きく分けて三つあります。
外部からの水が浸入して浮く
外壁のクラックや、塗膜が剥がれている箇所から水分が浸入します。
塗膜の間や、下地と塗膜の間に水分が浸入すると温度の上昇により気化し、水蒸気が逃げ場を失い膨らみ浮きが発生します。
塗料の乾燥不足による浮き
外壁塗装は、一般的に下塗り中塗り上塗りと塗料を3回塗るのが基本です。
乾燥不足によって浮く原因は、下塗りの乾燥不足によるものです。
1回目の下塗りが乾く前に2回目の中塗りを行うと、中の水分や溶剤が逃げ場を失い、気化したものが膨らみ浮きが発生します。
特に、気温が下がる冬は夏に比べて乾燥しにくいため夏よりも倍の時間の乾燥時間が掛かるため、よく乾燥させる必要があります。
旧塗膜や下地との密着の不良による浮き
外壁の下地に合った塗料や、外壁の旧塗膜に合った塗料を使用しなかった場合密着が弱くなります。
下地が、サイディングか金属かで下塗りの塗料は変わります。
旧塗膜が、劣化が激しかったりザラザラしている場合も通常の状態とは違うため注意が必要です。
特に、ザラザラしているような旧塗膜は厚みがあり凹凸が激しいため中に隙間が起きやすいです。
すると塗膜間に空気が入り込み、温度が上昇すると中に入った空気が気化し、水蒸気によって膨らみ浮きが発生します。
外壁塗装の浮きの対処方法
塗膜が浮く原因は、特定しにくい場合もありますが対処方法を行うことで、発生を高い可能性で防ぐことが可能です。
前回の塗装から年月が経っていない塗膜の浮き
施工会社の施工不良の可能性があります。
施工会社に連絡をして、剥がれが起きる前に浮きを取り除いてから、再塗装してもらいましょう。
前回の塗装から10年以上経過している塗膜の浮き
経年劣化の可能性が高く、他の外壁も傷んでいる可能性が高いため、専門業者に現地調査の依頼しましょう。
弾性塗料を使用した塗膜の浮き
弾性塗料は、弾力があるため塗膜の割れを防ぐことができます。
しかし、一定量の水蒸気しか逃すことができないため規定以上の水蒸気が発生した時に、中に水が溜まっていき水膨れが発生します。
一般的に弾性塗料を使用するのは、モルタルやコンクリート壁が多いです。
戸建てで、よく使われているサイディングは弾性塗料を使用することはできません。
弾性塗料を使用する際は、塗装予定の下地や住宅環境に塗装可能か確認してから使用する必要があります。
外壁塗装の剥がれが起きる原因と対処方法
外壁塗装の剥がれが起きる原因は、浮きが起きる原因と同じ場合や、浮きが発生した後に剥がれる場合もあります。
しかし、ほとんどの原因は経年劣化に比べて施工不良によるものです。
外壁の洗浄やケレン不足による剥がれ
外壁塗装を行う際は、必ず洗浄やケレン作業を行います。
下地に付着した汚れを落とさず塗装を行うと、下地ではなく汚れに密着することになり、通常の密着よりも弱くなります。
下地の洗浄やケレン不足による原因の剥がれは多く、職人の工期短縮による手抜きが原因です。
対処方法
洗浄後やケレン作業後に、汚れが取れているか確認を行います。
確認が取れない場合は、洗浄前と洗浄後に写真を撮ってもらいましょう。
汚れは、埃や苔だけでなく錆や弱くなった塗膜も除去することが大切です。
塗料の下塗りの仕様が守られていないことによる剥がれ
浮きの原因と近い部分がありますが、塗装は下地処理と下塗りが非常に重要です。
下塗りを規定量塗ることで、適正な密着が確保できるため、規定量を塗る作業が必要です。
さらに、吸い込みが激しい場合もう一回塗るなどの作業を追加する必要もあります。
浮きの原因にもあったように、乾燥は必ず塗料ごとに決められた乾燥時間を守るようにします。
下塗りが溶剤で、中塗り上塗りが水性の場合は通常よりも乾燥時間を多く取ることも重要です。
対処方法
塗料の規定量や乾燥時間は、必ず塗料ごとに決められています。
しかし、塗装業者の中には経験だけで判断して塗料ごとの仕様を確認していない場合があります。
そのため、使用する塗料の仕様を提出してもらったり工程表を提出してもらい、無理のない乾燥時間の取れた工程になっているか確認しましょう。
塗料の希釈が守られていないことによる剥がれ
塗料には、希釈する液体と量が決められています。
希釈する液体は、水やシンナー、塗料ごとの専用の液体などがあります。
希釈率も、無希釈の塗料や半分近く希釈する塗料もあります。
希釈率は、多くするほど塗料が薄まり量が増え通常よりも多いm2数を塗ることができるため、原価を下げる手抜き工事に使われる方法です。
希釈率を守らなければ、美観を損なうばかりでなく本来の塗料の性能が発揮できないため、早い段階で剥がれだけでなく色褪せやチョーキング現象が起きます。
対処方法
希釈率を見分けることは、同じ塗装業者ですら難しいです。
そのため、最初にm2数に対して何缶が規定量なのか規定量を使用したのかなど、規定量どおりの施工が行われているか、書類や写真を提出してもらいましょう。
剥がれは、放置しておくと周囲に広がっていきます。
塗膜の保護機能がなくなっているため、下地がさらされて劣化しやすい状態になっています。
剥がれや浮きは、塗膜やその周囲に何らかの不具合が起きている可能性が高いため、早めに対処することが重要です。
しかし、それらを防ごうとしても手抜きをする塗装業者は慣れているため、素人が簡単に見抜くのは非常に難しいです。
対処方法は写真や書類の確認、実際の施工現場の確認ですが、一番の対処方法は信頼できる塗装業者を探して依頼することが最も重要です。
まとめ
外壁塗装に浮きや剥がれが起きる原因と対処方法について見てきました。
内容をまとめると以下のようになります。
- 塗装を行う前の洗浄やケレンなどの下地処理はしっかりと行い汚れを除去する
- 下塗りは下地に合った材料で塗装し乾燥をしっかり行う
- 浮きや剥がれを防ぐ一番の対処方法は信頼できる塗装業者に依頼する
最近の外壁塗装は、色々な上塗り塗料が開発され耐用年数も高いものが出てきていますが、どこまで行っても外壁塗装は下地処理と下塗りが重要です。
下地の検査や、下地と下塗り塗料の密着のテストを施工前に行う品質の意識が高い塗装業者も最近は増えてきています。
依頼した塗装業者が心配な場合、工事全体の品質を上げるために塗装の管理のみを、施主に変わって代行する管理会社もあります。
手抜きや施工不良を防ぐためには、施主自身が知識を付ける以外にも、信頼できる塗装業者を探す時間も必要になってきます。
塗装業者を選ぶ際は、価格以外にも品質管理を職人以外がしっかりと行なっているかなど、品質に対して力を入れている業者か確認して、品質の高い業者に依頼するようにしましょう。