撥水塗料は車の洗車やコーティングで多く使われている身近な塗料です。
しかし、家を撥水仕上げにすると考えるのは想像しにくいと悩んでいるかたも多いです。
家に塗装した撥水仕上げが、水を弾くことで起こるメリットやデメリット、よく聞く撥水性と親水性はなにが違うのかを見ていきます。
外壁塗装を撥水仕上げにするメリット、デメリット
外壁には色々な種類がありますが、中には水を天敵とする材料も使われています。
ボルトや鉄板などの鉄は、水に触れると酸化しサビが発生します。
サビを防ぐためにも撥水塗装は有効です。
サビは膨張し周囲を劣化させ隙間を作ってしまうため、外壁にできた隙間から水が浸入する原因になります。
撥水塗装をすることで、外壁に雨水などが染み込まないようになります。
そのため撥水により酸化を防ぐこともでき、内部に入る水による劣化を防ぐことができます。
撥水仕上げにするメリット
外壁の汚れを防ぐ
外壁には、空気中の砂埃や公害汚染、雨水による泥はねなど様々な汚染原因があります。
撥水効果があると水分をよく弾くので、同時に汚れも弾いて外壁に定着しにくくなります。
汚れた外壁は高圧洗浄で洗っていきますが、撥水効果があると軽く水を流しただけで汚れを洗い流すことができます。
表面に撥水コーティングを施すと、目には見えない塵も定着しにくくするため外壁を美しい状態に保ちます。
しかし汚れにくくなるのは撥水塗料の機能性ではなく、水を弾くことによる付加価値なので、「撥水塗料を使うと汚れない」と勧めてくる塗装業者は気を付ける必要があります。
外壁の劣化を防ぐ
外壁は年月が経つごとに経年劣化が進んでいき、塗膜のヒビや割れなどが目立ってきます。
そのため、元の状態を保つためには定期的に塗り直さなければいけません。
しかし、経年劣化以外にも外的要因である雨水や汚れによって劣化が進みます。
定期的に塗り替えを行い、撥水効果を効かすことで水を弾き、汚れも付きにくくなるため外的要因による劣化は防ぐことができます。
撥水仕上げにするデメリット
撥水仕上げは通気性が悪い
撥水性の高い塗料は、外壁の表面をコーティングするため通気性が悪くなることがあります。
部屋と外の寒暖差が激しい地域や冷暖房をよく使うかたは、撥水仕上げは避けておくべき塗料かもしれません。
しかし、室内の湿気は逃し外からの水は防ぐ機能を持つ撥水塗料もあるため、一概に撥水塗料は通気性が悪いとも言えません。
塗装工事価格が高い
他の塗料と比べて、撥水塗料は価格が高くなりがちです。
m2単価が撥水塗料は高めなのですが、他の原因として撥水塗料は色褪せてきたなどの劣化目安がないため、塗り替え時期を守る必要があります。
一回塗装すれば、何十年と持つ塗料ではないので毎回撥水仕上げとなれば価格は高くなっていきます。
塗装できる外壁が限られる
外壁には洗っても取れない汚れがあります。
汚れが付着したままでは撥水性は機能しても、美しさは損なわれます。
外壁を洗って綺麗な状態にしても数年後汚れが浮き出てきたり、外壁によってはダメージを与えてしまうこともあるため、全ての外壁に撥水塗料が合うわけではありません。
外壁塗装における撥水と親水の違い
撥水は疎水性に分類され、疎水の対義語が親水となります。
撥水と親水を簡単に表現すると、撥水は水を弾き親水は水となじみ薄く広がります。
撥水は想像しやすいですが、親水にはどのような機能性があるか見ていきます。
親水性が機能としてある塗料の中に、光触媒があります。
光触媒は、太陽の光で汚れを浮かし雨で洗い流す機能があります。
機能の一つである、汚れを浮かす際に必要となるのが親水性です。
光触媒では「超親水性」と呼ばれており撥水塗料と同じように人気のある塗料です。
超親水の光触媒の汚れが落ちる仕組み
光触媒をコーティングした場合、水は水滴にはならず水の膜ができます。
光が当たると化学反応により「光触媒の塗膜と汚れ」よりも「光触媒と水」との方が相性の良いため、汚れの下に水が入り込み汚れを浮かします。
雨が降った場合、自然に汚れを洗い流します。
機能性は素晴らしいですが、陽が当たらない場所や雨が当たらない場所は機能性が落ちます。
親水性を安定させるのは非常に難しく、まだまだ未知数な塗料のため使用する場所や機能性を考える必要があります。
まとめ
水を弾くことでおきるメリットやデメリット、よく聞く撥水性と親水性はなにが違うのかについて見てきました。
内容をまとめると以下のようになります。
- 撥水や親水仕上げの機能性は高い
- 外壁や場所により機能性は落ちる
- 他の塗料に比べ価格が高くなる
撥水や親水の機能性は非常に高く、性能が期待できる塗料です。
しかし機能性が高い分、性能を発揮できる環境が限定され、メリットのある外壁やデメリットが大きい外壁が出てきます。
撥水仕上げを選ぶ際は、デメリットが大きくならないよう施工実績がある塗装業者に依頼し、専門業者に見極めてもらいメリットのある撥水仕上げを行う必要があります。