外壁塗料の防汚塗料の効果と料金、種類

防汚塗料は、塗装すると家を自然の力できれいな状態を保ちます。

しかし、塗料により耐用年数も汚れやすさも異なるため、選ぶことが難しい塗料です。

防汚塗料の中には、フッ素樹脂塗料よりも耐用年数が長い塗料やシリコン樹脂塗料にも関わらずフッ素樹脂塗料と同じ耐用年数の塗料も存在します。

これだけ機能性の良い塗料にも関わらず、普及しきれていない理由があります。

機能性の良い塗料を選ぶためには、特徴や効果だけでなく注意点も知っておく必要があります。

外壁塗料の防汚塗料の特徴や効果、施工価格や塗料の種類、防汚塗料を使用して外壁塗装をする際の注意点を見ていきます。


外壁塗料の防汚塗料の効果と料金、種類

外壁塗料の防汚塗料の効果と料金、種類

防汚塗料は、汚れを付着するのを防ぐことができる塗料で低汚染塗料とも呼ばれています

一般的な防汚塗料は、親水性を利用してセルフクリーニングを行っています。

親水性がある塗料の中で、特に高価で優れているものが光触媒塗料です。

光触媒塗料の特徴

光触媒は、太陽光で汚れを浮かし雨水で汚れを洗い流します

太陽光に当たると、原料である酸化チタンが活性酸素を作り汚れを分解します。

塗膜が超親水と呼ばれる状態になると汚れと外壁の間に水が入り汚れを洗い流します

この二つを合わせるとセルフクリーニングの機能が働きます。

さらに、汚れを分解する機能により防藻や防カビ、抗菌作用などの効果が表れます。

耐用年数も他の塗料に比べて20年と長く、ハイグレードな塗料です。

すべての光触媒塗料ではありませんが、空気浄化効果や遮熱効果がある光触媒塗料も存在します。

光触媒塗料の種類

光触媒塗料の種類

光触媒塗料の中で有名なメーカーは、TOTOのハイドロテクトコートです。

しかし、2017年に生産を停止しており、現在使用できません。

大手塗料メーカーは光触媒塗料の販売をしていないため、他のメーカーから選びましょう。

現在使用できる主な光触媒塗料

  • 日本特殊塗料のエヌティオシリーズ
  • ニュートラルのNU-COATシリーズ
  • SICコーティングスのアートファインシリーズ
  • ピアレックスのピュアコートシリーズ・OPTIMUSの外装用オプティマスホワイトペイント

光触媒塗料は塗料毎に施工単価が大きく異なりますが、光触媒塗料で圧倒的なシェアのあったTOTOの光触媒塗料が、1m2/5,000円前後でした。

そのため、1m2単価が3,800〜5,000円が光触媒塗料の目安になります。

稀に、訪問販売などで「半永久的にセルフクリーニング効果があるが、1m2単価が10,000円掛かる」と説明する悪徳業者もいます。

施工単価も高く、半永久的な塗料は存在しないため、このような話には注意が必要です。

適正な価格だと、足場や諸費用など全て含めると30坪の二階建ての一軒家で130万円前後が目安です。

施工条件や住宅環境により値段は上下するため、詳しい料金は見積りを取って確認しましょう。


防汚塗料を使用して外壁塗装をする際の注意点

防汚塗料を使用して外壁塗装をする際の注意点

防汚塗料の親水性の効果がある塗料は、光触媒だけでなく、シリコン樹脂塗料やフッ素樹脂塗料にも存在します。

光触媒は作用に太陽光が必要なため、日の当たりにくい北面や狭小地などはあまり意味がありません

また雨が当たらない場所では、汚れを洗い流す効果が発揮しません。

光触媒塗料や親水性塗料は、機能性や耐久年数が他の塗料に比べて非常に優れています。

しかし親水性は安定性が悪く、長く機能を保つことが難しい塗料です。

施工方法も、均一に塗装することが難しく色ムラになりやすいです。

きれいに仕上がったように見えても、数年後塗膜が厚い部分と薄い部分で汚れ方が変わってしまうこともあります。

施工方法が難しい塗料は、塗料メーカーが認定施工店制度を設けている場合があります。

日本特殊塗料のピアレックスは、ニットク・アメニティシステム会の会員のみが施工できます。

光触媒の指導を受けた業者が施工するため、一つの安心材料になります。

光触媒は機能性の高い塗料ですが、塗料の品質や施工条件、職人の技術と知識の全てが揃うことで効果を得ることができます。

費用対効果をよく考えてから選択するようにしましょう。

アステックペイントのリファインシリーズ
も、親水性のある超低汚染形塗料です。

光触媒塗料は屋根の施工ができないですが、リファインシリーズは屋根の塗料も取り扱っています。

ただし、低汚染形と親水性は決して同義語ではないためセルフクリーニング効果のある塗料を選ぶ際は、親水性の機能まで確認する必要があります。

低汚染形塗料の表記規定も決まりがないため、防汚塗料を選ぶ際は、超低汚染形塗料の表記を選ぶ基準にしましょう。

親水性の効果を出すためには、塗装業者選びが重要です。

塗装業者を選ぶ際は、光触媒や親水性のある塗料の施工経験が豊富な業者か、塗料メーカーから認定を受けた塗装業者を選ぶと安心です。


まとめ

外壁塗料の防汚塗料の効果と料金、種類のまとめ

外壁塗料の防汚塗料の特徴や効果、施工価格や塗料の種類、防汚塗料を使用して外壁塗装をする際の注意点について見てきました。

内容をまとめると以下のようになります。

  • 防汚塗料の中で最も優れている塗料が光触媒塗料
  • 光触媒塗料の施工単価は1m2/3,800〜5,000円が適正価格
  • 光触媒だけでなく超低汚染塗料の親水性のある塗料も優れた防汚塗料

防汚塗料の汚れを落とす機能は、美観だけでなく遮熱効果を持続させるなど、他の機能を持続させる効果もあります。

防汚塗料やセルフクリーニング効果がある塗料は様々な種類があるため、塗料の選択の際は、住宅条件に加えて塗料の性能や塗る範囲などを含めて比較検討することがおすすめです。

特に防汚塗料は職人の知識や経験で仕上がりが左右することも多いため、防汚塗料の施工実績のある塗装業者を選ぶと安心です。