日本における外壁塗装と塗料の歴史

外壁塗装の歴史は意外に浅く、短い期間で急速な発展を遂げています。

塗料の中には数百年色褪せない塗料も存在します。

質の良い塗料を知ることで塗装職人の重要性が見えてきます。

日本における外壁塗装の歴史、外壁塗装の塗料の歴史を見ていきます。


日本における外壁塗装の歴史

日本における外壁塗装の歴史

塗装の話であれば、縄文時代から漆塗りの土器や工芸品があったようです。

しかし、昔の日本の外壁は板壁や土壁、草壁などで作られていました。

そのため、外壁を塗装する工法は存在していませんでした

外壁に竹を編んでいき、藁を混ぜた土を練りつけていき1〜2年かけて乾燥させ、上から白土を塗って白壁となります。

白壁が昔からあるため、古くから塗装が施されているイメージもありますが、白土を塗る作業は塗装ではなく左官屋に近い工事内容です。

外壁塗装の歴史は、意外にも浅く明治維新後とされています。

明治維新の時代は、西洋の文化が伝わった時期で建築の手法も大きな影響を与えています。

日本家屋は、土壁が主流でしたが塗装が進化していくと同じように、モルタル壁やパネルやボード貼りの施工に変わっていきました。


日本における外壁塗装の塗料の歴史

日本における外壁塗装の塗料の歴史

最近では、アクリル樹脂塗料やウレタン樹脂塗料、シリコン樹脂塗料やフッ素樹脂塗料など様々な種類の樹脂塗料があります。

機能性にも様々な付加価値があり高品質な塗料が揃っています


昔の樹脂・塗料・技法

今は、ウレタン樹脂塗料など人工樹脂を使用していますが、昔は木の樹脂で木から出た樹脂を採取して塗料に使われていました。

また一部では岩を細かく砕いた岩絵の具が使われており、神社の絵馬に使われた岩絵の具は200年〜300年経っても色褪せていません

最近の塗料でも数年で色褪せる塗料もあれば何十年何百年と色褪せずに残っている昔の塗料も存在します。

塗料の耐久性を決めるのは、塗料だけでなく施工する塗装する職人の腕も関係していることがここから見て取れます。


明治時代

明治時代

明治時代には初めての塗装会社が設立され、その後国産の塗料の開発も進められました。

しかし最初から国産の塗料が使われていた訳ではなく、当初は外国から塗料を取り寄せて塗装していました。

塗装する中で日本の風土には合わないことが分かると、少しずつ国産の塗料に変わっていきました

初めての塗料会社は光明社と呼ばれており、現在では塗装業界では知らない人はいないほどの日本ペイント株式会社に成長しています。

しかし、この当時の塗料は耐久性も悪く乾燥に時間がかかる質の悪い塗料でした。

開発当初は、乾性油や天然樹脂を原料に使われていましたが昭和に入ると原料は徐々に変わっていきます


昭和初期

昭和初期頃には、合成樹脂技術が発展しフタル酸樹脂塗料も開発や改良が進み、少しずつ塗料の質も良くなっていきます

戦後の時代には、エポキシ樹脂や塩化ビニル塗料が次々に実用化され塗料は進化していきます。

今では住宅の環境に合わせた塗料の開発が進み、低汚染型や防カビ対応塗料、遮熱塗料や断熱塗料など多種多様な塗料が出てきています。

塗料の歴史は浅いですが、少ない期間で急速な発展を遂げ現在の建築業界にはなくてはならない存在になっています。


まとめ

日本における外壁塗装と塗料の歴史のまとめ

日本における外壁塗装の歴史、外壁塗装の塗料の歴史について見てきました。

内容をまとめると以下のようになります。

  • 塗装の歴史は明治時代から
  • 職人の腕で塗料の質も変わる
  • 現在では外壁の保護だけでなく機能性も加わった

明治の時代からも、日本の風土に合わせ国産の塗料に変えてきたように、塗装職人も環境に合わせて経験から塗装方法を合わせて長く色褪せない工夫をしてきました。

現在では、低価格路線から塗料の耐久性を追求することが塗装業界の中でが難しくなってきています。

質の良い塗料を使用し、遮熱効果や耐久性などの機能を発揮させるためにも塗装職人選びは重要な問題となり、慎重に選ぶ必要があります。