外壁塗装が不要になると、家の維持費が楽になります。
最近増えた「メンテナンスフリー」は、永久的に持つ建材の意味ではなく、建材の耐久年数を延ばすことです。
メンテナンスの回数が減ることで、家の維持費を抑えることができます。
外壁塗装不要のメンテナンスフリーにすることはできるのか、塗装が不要な外壁や屋根、外壁塗装を長期間不要にするためにできることについて見ていきます。
外壁塗装不要の「メンテナンスフリー」にすることはできる?
最近では、メンテナンスフリーと呼ばれる外壁材が出てきています。
しかし、外壁で呼ばれているメンテナンスフリーとは永久的にメンテナンスがなくなるものではありません。
通常よりもメンテナンスが簡単で汚れにくく、メンテナンス周期が長いものがメンテナンスフリーと呼ばれています。
家に使われている建材は外壁だけでなく、つなぎ目のシーリング剤や雨樋、破風板や鼻隠し、雨戸など外壁塗装の対象は数多く存在します。
外壁材のみをメンテナンスフリーにすると他の建材のメンテナンスとの時間差が発生するため、メンテナンス回数が減らないか、反対に増えてしまう可能性が高い点に注意が必要です。
メンテナンスが容易になるメンテナンスフリー
2018年7月現在、永久的なメンテナンスフリーの建材は存在しないため、一般的に使われているメンテナンスが容易になるメンテナンスフリーについて説明していきます。
窯業サイディング
メンテナンス性に優れており、美観保護のための親水機能が付いたセルフクリーニングのサイディング材です。
サイディングの継ぎ目を、埋めているシーリング剤が劣化しやすいため、10年を目安にメンテナンスが必要になります。
金属サイディング
水に強く比較的錆びにくいタイプもあり、窯業サイディングと違い軽くひび割れを起こしにくい特徴があります。
窯業サイディングと同じように、シーリング剤が劣化しやすいため、10年を目安にメンテナンスが必要<になります。
さらに、防錆のため10〜15年を目安にメンテナンスが必要になります。
貼りタイル
耐久性や意匠性に優れており、タイル自体の劣化は少ないです。
タイルを貼るために使われている、接着剤や目地剤、シーリングが劣化しやすいため、15年を目安にメンテナンスが必要になります。
地震や強風などで、タイルが剥がれた場合も同時にメンテナンスが必要になります。
レンガ積み
耐久性に優れており、シーリング剤を使用しないためシーリングの劣化がありません。
しかし、地震などの揺れに弱くひび割れや損壊が起こりやいため、その都度メンテナンスが必要になります。
施工にムラがでやすく、不備があると揺れなどがなくてもひび割れや損壊が起こる場合があります。
モルタル、RC
コテ塗りで、壁の厚さを変えられたり無機質な独自な風合いを出すことが可能です。
しかし、ひび割れが発生しやすく10年を目安にメンテナンスが必要になります。
塗装が不要な外壁、屋根
外壁や屋根材は様々な種類や特徴があります。その中で一般的によく使われているものは塗装が不要か見ていきます。
屋根の種類
- 日本瓦(いぶし瓦、釉薬瓦、素焼き)
- セメント瓦
- コロニアル(カラーベスト)
- 金属屋根
- 波型スレート屋根
- モニエル瓦
一般的に、瓦は塗装不要でカラーベストや金属屋根は塗装のメンテナンスが必要と思われがちですが、日本瓦以外は塗装が必要な建材です。
塗装を屋根材に行う必要性は、美観性と下地を守るための耐久性、付加価値として遮熱機能などがあります。
セメント瓦は表面に塗装処理を施してあるため、再塗装が必要な瓦です。
コロニアルや波型スレート屋根は、建材自体が劣化しやすいため、定期的な塗装のメンテナンスが必要になります。
金属屋根は、耐久性は高いですが防錆処理が必要になり、熱伝導率も高いため塗装のメンテナンスの際に溶剤の遮熱塗料を使用することが多くあります。
モニエル瓦は、屋根材の中でもメンテナンス性が難しくスラリー層から塗膜が剥離してしまいます。
そのため、スラリー層を完全に除去した後に専用プライマーを使用する必要があります。
日本瓦は、耐久性が50年や100年以上と言われており塗料とは比べ物になりません。
さらに、厚みがあるため屋内に熱を伝えにくいため遮熱塗料を使用する必要もありません。
日本瓦の中でも、いぶし瓦は表面が色褪せる場合もありますが、本来の防水性機能は維持しているため色褪せと捉えるか味わいと捉えるかが分かれます。
日本瓦用の塗料も数社から発売されているため、美観保持のため塗装を行うことが可能です。
外壁の種類
- 窯業サイディング
- 金属サイディング
- モルタル
- タイル
- ALC
塗装不要な外壁材はタイル貼りです。
塗装処理を施している窯業や金属サイディング、ALCは塗膜の劣化に合わせて、再塗装が必要になります。
モルタルは紫外線や雨風で劣化し、塗装せずに放置しておくと痛んでいきます。
タイルは、日本瓦と同様に粘土で形成し高温で焼き付けているため、劣化しにくく意匠性にも優れています。
日本瓦やタイルの場合に限り、塗装は不要です。
しかし、日本瓦は漆喰、タイルは剥がれなどのメンテナンスが必要になります。
日本瓦もタイルも下地の調整のみで割れなどの損傷がない限り使用することが可能です。
外壁塗装を長期間不要にするためにできること
外壁塗装を長期間不要にするためには、耐久性のある建材を使用したり、再塗装の際には耐久年数が高い塗料やシーリング剤などを使用したりする必要があります。
さらに、下地が劣化した状態や防水性がなくなった状態で再塗装するよりも、経年劣化が始まる前の状態で再塗装する方が、下地がいい状態の上に塗装できるため耐久性は上がります。
しかし、塗装時期が早い場合親水性や撥水性などが残っていると塗料を弾いてしまうため塗料の密着が弱くなります。
逆に塗装時期が遅れると、チョーキングや下地の劣化などの下地処理やケレン処理が必要になり、ケレン不足による施工不良が起きやすくなります。
外壁や屋根材によって、塗料や下地処理方法を変える必要もあります。
耐久性のある塗料は、カタログなどを見れば分かりやすいですが、適材適所で正確な処理方法ができる塗装業者は見つけにくいです。
信頼できる塗装業者に依頼することで、外壁だけでなくシーリングの耐久性など家全体のメンテナンス性を意識した提案が期待できます。
メンテナンスフリーは、家の外壁や屋根の塗装だけで考えず、家全体のメンテナンス時期を長期間延ばすことを意識することが重要です。
まとめ
外壁塗装不要のメンテナンスフリーにすることはできるのか、塗装が不要な外壁や屋根、外壁塗装を長期間不要にするためにできることについて見てきました。
内容をまとめると以下のようになります。
- 外壁や屋根材の耐久性だけでなく周囲に使われている建材もメンテナンスフリーが必要
- 塗装が不要な建材は日本瓦とタイル
- 外壁塗装を長期間不要にするためには、耐久性が高い塗料を良質な施工で工事する必要がある
最近の外壁や屋根の建材は耐久性が高いものがありますが、周囲に使われているシーリングなどは耐久年数が追いついていません。
塗装が不要な、日本瓦やタイルも下地のメンテナンスが必要になるため、メンテナンス時期は家の中で最も劣化が早いものか、地震や天災など突発的に家に衝撃が受けた時に行うようにしましょう。
外壁塗装を長期間不要にするためには、最初に無塗装品の建材を多く選ぶことですが、耐久性のある塗料やシーリング剤などを使うことも有効的です。
しかし、日本瓦やタイルも同様に良いものを選んでも施工技術がなければ高い耐久性は得られないため、高い耐久性を得るためには、高い信頼性のある塗装業者を選ぶようにしましょう。