外壁に使われる素材には主にモルタル(塗り壁)とサイディングボードがあります。
外壁といえばモルタルというイメージがありますが、最近の新築の家の外壁はサイディングが主流になっています。
サイディングはメンテナンスフリーと言われていましたが、実際には外壁塗装を含めたメンテナンスが必要になります。
サイディング外壁とは
サイディングボードの外壁とは、パネル上になったサイディングボードという板をいくつも貼っていくことで外壁を形成する外装材です。
最近では日本の新築一戸建ての8割弱がサイディングボードの外壁を採用しています。(モルタル外壁の家は約8%)
人気の秘密はメンテナンスフリーと言われていたことと、施工の簡単さにあります。
モルタルは塗料を水やシンナー等と混ぜて職人が手塗りしていく必要がありますが、サイディングは塗装や加工が完成したサイディングボードを持ち込んではめ込んでいくだけなので、熟練した技術が必要なく低コストで施工することができます。
またサイディングボードは吸水しないため、防水効果が高く、半永久的にもちメンテナンスフリーと言われていました。
しかし実際にはカットした切断面から吸水しますし、それによって素材が劣化し、クラックやチョーキング現象、塗膜の剥がれなどが発生します。
そのためメンテナンスやリフォームは必要になっています。
サイディングの種類によっても異なりますが、7年から10年くらいを目安にメンテが必要になります。
さらにサイディング外壁を形成するサイディングボード、塗料、コーキング(ボードの継ぎ目)それぞれに寿命がありメンテナンスが必要になるため、モルタルより複雑でメンテに気を使う必要があります。
サイディング外壁の種類
サイディングにはいくつか種類があり、大きく窯業系、金属系、木質系、樹脂系のサイディングがあります。
種類 | メンテナンスの目安 |
---|---|
窯業系 | 7年-10年 |
金属系 | 10年-15年 |
木質系 | 8年-10年 |
樹脂系 | 10年-20年 |
窯業系
窯業系のサイディングはセメントと繊維質を原料としたボード上のサイディングです。
「焼き物」の素材を使用しているため窯業系と呼ばれます。
ボード同士はシーリングという粘着剤で継ぎ目のようにして接着しますが、シーリングはボードよりも先に劣化することになるため、補修工事(コーキング工事)が必要になります。
金属系
金属系のサイディングはスチールやアルミニウムなどの金属板を整形して加工したものです。
防火性や断熱性に優れた素材です。また軽量で紫外線にも強い素材です。金属の外壁が好きな人に選ばれている素材です。
汚れや塗料の劣化によって10年ほどでメンテナンスが必要になると言われています。
木質系
木質系のサイディング外壁は天然木などを塗装したサイディングボードで、木の呼吸を遮らないよう表面は炭化処理されています。
木の風合いが出ていて美しく、断熱性にも優れた素材といわれています。防火性は劣るため、地域によっては消防法などの関係で使用できない場合もあります。
塗装されているので、塗料の劣化によるチョーキング現象や亀裂が起こり、塗膜が剥がれると木が腐食してしまう場合もあるので、10年前後で塗替えを検討する必要があります。
樹脂系
樹脂系のサイディングは、塩化ビニール性の樹脂が原料で耐久性が高く色落ちや劣化の心配も少ない素材です。日本では主流ではありませんがアメリカなどでは主流のサイディングです。
一般的な一戸建ての外壁の多くには窯業系のサイディングが使用されており、塗料の劣化、サイディングボードの劣化、コーキングの劣化があるため、7年から10年位でメンテナンスが必要になるのが一般的です。
窯業系のサイディングは耐火性に優れ、地震にも強い素材です。以前はアスベストが含まれていることで問題にもなりましたが、2004年からはアスベストは全面禁止されていますので、2004年以降に新築された家であればその点は心配ありません。
サイディング外壁はメンテナンスフリー?
サイディング外壁はメンテナンスフリーというふれこみで普及していったので、サイディング外壁の家に住んでいる人はメンテナンスの必要がないと思っている人もいますが、実際にはメンテナンスが必要になります。
一般的な窯業系のサイディングは、サイディングボードの塗替えのほかに、ボードとボードの継ぎ目のシーリングのメンテナンスが必要になります。
塗料やサイディングボード、シーリング材の劣化を放置すると、吸水して雨漏りの原因となり、家の傷みが非常に早くなってしまいます。
建物が傷んでしまうと、そのメンテナンスには大きな費用がかかりますので、サイディング外壁であっても定期的なメンテンナンスが必要になります。
サイディングの傷みの原因
サイディングの傷みの原因は主に塗料の経年劣化と、サイディングボードへ吸水してしまうことによる劣化です。
サイディングボードは耐水性の高い素材ですが、カットしたり加工することで、吸水してしまいます。
吸水することでサイディングボードの耐水性が低下してさらに吸水してしまったり、場合によってはボードが変形して反り返ってしまうこともあります。
そうなってしまうと張り替えなど大規模なリフォームが必要になるので、サイディング外壁の吸水を未然に防ぐためにも塗装のメンテナンスは定期的にかつ早めに行っておく必要があります。
サイディング外壁のメンテナンス方法
サイディング外壁のメンテナンス方法には、おもに張り替え、上塗り(塗装)、シーリングのメンテナンスの3種類があります。
窯業系のサイディング外壁を形成するサイディングボード、塗料、シーリングのどこに問題が発生しているかを確認して対応を決めていく必要があります。
張り替え
張り替えは既存のサイディングボードを外して新たなサイディングボードを張り替えするリフォーム方法です。
今あるボードの上から新しいボードを貼る工法もあり、若干価格は安くなります。
30坪くらいの一般的な一軒家であれば、完全な張替えで200万円前後、今あるボードの上から新しいボードを貼る方法で180万円前後の費用がかかります。
上塗り
上塗りは外壁塗装をすることで、こちらもボードを剥がして塗装する方法と、ボードの上から塗装する方法の2種類があります。
ボードを剥がす場合は100万円から180万円ほど、ボードの上から塗装する場合には80万円から150万円ほどの費用がかかります。
塗装ですので、塗料によって費用は大きく変わってきます。
シーリングのリフォーム
シーリングのみのリフォームは今のシーリングを剥がして新たにシーリングを打ち込む方法と、シーリングを上塗りするように打ち込む方法の2種類があります。
剥がしてから新たに打ち込む場合には20万円弱、打ち増す場合には15万円程度の費用がかかります。またこれに加えて足場代がかかります。
リフォーム方法や箇所によって、大きく費用も変わってきますし、メンテナンスを怠っているとより大規模なリフォームが必要になってしまいます。
サイディング補修に強い信頼できる業者を選ぶ
このようにサイディング外壁は家の状態によって、必要なリフォーム方法が大きく変わってきます。
サイディング補修が得意な業者、不得意な業者もありますので、いくつか業者に見積をとって、一番信頼できる業者を選ぶのがおすすめです。
複数の業者に問い合わせ、見積もりをとるには、一括見積もりサービスを利用するのが便利です。
一括見積もりサービスは無料ですし、問い合わせ内容に応じてヒアリングしてくれて、最適な業者を紹介してくれます。
サイディングのメンテナンスを検討している人は、ぜひ一度利用してみてください。